地球の未来を背負った男【短編】
†帰星
カビパンは公衆電話にえらい桁数のダイヤルを回して、最後に赤いボタンを押すように俺に頼んだ。
「同じ手順を踏めば、我が国へ通信が取れますから覚えておくといいでしょう」
と言ったが、到底覚えられる桁数ではなかったし、受話器を取ったカビパンの話した言葉は発音出来るものではなかった。
そうして、しばらくすると真夜中の公園にチョココロネ型の宇宙船が舞い降りて来て、沢山の食パンが迎え出た。
雰囲気からすると、長と言っただけあって余程偉いヤツだったのだろう。