その件は結婚してからでもいいでしょうか

「ノリくん、かっこいいでしょ」
小島さんは嬉しそうに話す。

「わたしも彼氏がいなかったら、ぜひぜひってところなんだけど」
「俺はいつでも小島さんならウェルカム」
ノリくんが笑った。

かっこいいかなあ。全然わかんない。
先生の方が大人だし、髪もサラサラだし、目も切れ長で色気があるし。

つい先生と比べてしまう。

「ノリくん、この子のこと今夜お願いするね」
「うん、いいよ」

ノリくんはビールを一口。こちらを向いてにこりと笑う。

「いい思い出になるよう、頑張るよ」

ゾワッと背中に悪寒が走った。
美穂子はぎこちない笑みを浮かべて、またビールをゴクゴク。

本当にこの人と、最後までできるのかな。

先生のキスが蘇る。
あんな風にこの人に舌入れられて、おえってならないかなあ。

そこで美穂子のスマホがなった。

先生?

美穂子の胸がどきんとなった。

でも表示には「八代さん」の文字。すぐに気分が落ち込む。

番号しらないのに、先生から電話がかかってくるわけないのに。何を期待しちゃってんだろう。馬鹿みたいだな、わたし。

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