その件は結婚してからでもいいでしょうか

「リクエストにはなんでも答えられます。縛られるのも、監禁されるのもオッケーです。ご要望があれば、先生の背中をヒールで踏むことも可能です。先生はどういったものがお好きですか?」
「の、のーまる?」

先生の声から、混乱が見受けられる。

美保子はドアを開けて飛び出そうとしたが、ぐっとこらえる。

ここででてったら、わたしが居候してるのがばれちゃうし。

「ふふふ。かわいい」
山井さんが笑った。

やばい。
これはマジでやばい。
先生が襲われる。

「寝室はどこですか?」
「えっ!」

先生の動揺した声が聞こえた。

「こっち?」
「いや、ちょっと待って」

山井さんがくる!
か、隠れないと!

美保子はとっさにベッドに入って、布団をかぶった。
でもすぐに、山井さんはベッドを使う気満々なんだから、すぐにばれちゃうことに思い至った。

ガチャッとドアが開く。

ああ、後の祭り。

美保子はベッドの中で息を潜めた。

「山井さん、そっちはちょっと」
先生はなんとか止めようとしているらしいが、あまり効果がない。

「ノーマルっておっしゃるから、ベッドがいいのかと。意外に違う場所のほうがいいってことですか? わたしも燃えるんで好きですけど」
「いや、そうじゃなくてね。うわっ」

先生がわめいた。

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