その件は結婚してからでもいいでしょうか
「甘い!」
美穂子は叫んだ。
「見ましたよね、あの様子。もう先生が男ってわかって、めちゃくちゃ舞い上がってますよ。夢だからって、憧れの先生襲います?」
先生がひるむ。
「桜先生に全部捧げたいって、山井さん言ってたんです。ぜったい、本気です」
「あーもうっ」
先生はそう言うと、わーわー喚く美穂子を抱き寄せた。
心臓からばくっって音がした。
体が固まる。
先生の唇が耳にふれた。
「いつ美穂子、抱けばいいんだよ」
顔がカッと熱くなった。
指が美穂子の首をなぞる。
「俺もう、我慢できないんだけど」
「やっ山井さんが帰ってきます」
「そんなすぐ、帰ってこないよ」
先生の唇が美穂子の耳から首へ。
「せ、せんせ……」
「もう、美穂子は俺のもんだよね」
何、この漫画みたいな台詞。
耳元で言われると、めちゃくちゃイイ。
気づいたら、ベッドに倒されていた。
見上げる先生は本当にセクシーだ。蛍光灯の明かりで、髪が白く光ってる。
ジャケットを脱いで、床に投げる。左手でシャツのボタンを外しながら、美穂子の耳あたりをその指で触る。
ジンジンする。
男の人の骨格って、こんな感じなんだ。
わたしのよりもずっとがっしりしてて。
シャツを脱いて、また床に投げる。
先生は美穂子の頬に手を当てて、キスをした。