その件は結婚してからでもいいでしょうか
目を開けると、すぐ近くに先生の瞳があった。
視線が触れる。
「あ、目開いちゃった。キスしようと思ってたのに」
先生の暖かな息が唇にかかる。
「……してください」
美穂子が小さな声でいうと、先生はその大きな手で頬を包んでくれた。
唇が重なる。
初恋みたいなキス。
それから、先生は指先で美穂子の唇をそっと開かせる。
下唇を触られると、ぞくぞくした。
左手で美穂子の首の後ろを支える。耳の後ろあたりを撫でられると、美穂子はそっと熱いため息をもらした。
指で唇を触りながら、もう一度キス。
今度は初恋のキスじゃなかった。
足がガクガクしてきた。
フラフラと二歩、三歩と後ろへ下がると、窓ガラスに背中がつく。
「俺の指でこんな風に触るのは、美穂子だけだよ」
その声の、低く甘い振動。
美穂子の身体中に響く。
なんどもなんども、角度を変えて、唇が触れて、舌が触れる。
先生の指が美穂子のシャツをたくし上げて、背中に回る。冷たいガラスの感触と、熱い指の感触。
くらくらする。
ブラのホックに指がかかったかと思うと、あっという間に外された。
抵抗する気力はもうない。
もうとろとろに溶けてしまっていて、先生のなすがままだ。