その件は結婚してからでもいいでしょうか

「宇宙人かなんかがとりついてるみたいです」
「……否定はしないよ」

美穂子はミギーを初めて見て、好奇心にとりつかれた。

あれが、どうなるの?

「じゃあ、次。美穂子の番」
先生はそう言って、毛布の中から美穂子を解放した。

「脱げよ」

美穂子にショック死寸前の電流が流れる。
先生の声が末端神経までしびれさせる。

「自分で?」
「当たり前だろ」

美穂子はごくりと唾を飲む。スケッチブックをベッドに置くと、先生に背を向けた。

「こっち向けよ。俺の目見て」
Sの先生が、意地悪するように言う。

美穂子はもう自分でもわかるぐらい、全身が真っ赤になっていた。
勇気を出して振り向く。

ブラウスの小さなボタンを、震える指で一つ二つと外していく。

「せ、先生、せめて電気を」
「だめー」

とうとうボタンを全部外すと、下着を隠すようにブラウスの前を合わせて身を縮める。

「なに隠してんの? 脱げって、いってんだろ」

ああもう。
いつも優しい先生が、ベッドでこんなにSっぽく命令してくるのが、なんていうか……たまんない。

美穂子は目をつむって、ゆっくりと肩からブラウスを外した。

見られてる。
視線を感じる。
ドキドキドキドキ。
心臓が破裂しそう。

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