その件は結婚してからでもいいでしょうか

「ほら、スカートを自分で脱ぐ約束だよ」

先生の指が徐々に範囲を広げるので、美穂子はもう頭が追いつかない。言われるがままにホックに手を伸ばしたが、震えてしまってうまく外せない。

「手伝ってやろうか?」

先生がスカートのホックの上、美穂子の脇腹に唇を這わせる。

今まで自分でも聞いたことがないような声が、唇の脇から漏れた。

先生の指がホックを外し、ジップを下げる。
腰骨の上あたりを軽く触った。

「んんんんん」
もう、押さえられない。

美穂子の手から、ペンが床に落ちた。

ぜったいおかしくなる。
これはもう、後でもう一回解説してもらわないと……ムリ……。

先生が美穂子の下着に指を引っ掛けた、そのとき。


ガチャガチャガチャチャ!
ドタン、バタバタッ!
ガンガンガンガンッ!

「せんせーっ」
山井さんの絶叫が聞こえた。

とっさに二人、ベッドの上に正座する。

「まさか」
「帰ってきちゃったっ」

美穂子は下着だけ。
先生はなんと、ミギーを毛布で巻いてるだけ。

「先生! せめて、下着っ」
美穂子は叫ぶと、自分は床に落ちていたシャツを拾おうと、ベッドから身を乗り出して手を伸ばした。

ガターンッ。

勢いよく寝室のドアが開かれた。

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