幸せなありがと。
ママがパパを嫌いだなんていってる姿は私は見たことも聞いたこともありませんでした。





喧嘩をしている姿を見たこともありませんでした。





パパ。





私はママに聞いたことがありました。





それは





「ママは、なぜパパと喧嘩をしないの?」





って、





ママはそのときなんて答えたと思いますか?







「喧嘩をするほどの欠点がママには見えないのよ。パパはママの王子様なのよ。」






って






聞いた私が照れてしまうほど、満面の笑顔でママは答えてくれました。








私はパパとママの子供に産まれてきてよかったと、強く思いました。





パパは私たちのお弁当箱が並べられておいてあるのに気付いてくれました。






今朝私たちはママが作ってくれたお弁当を当たり前のように持って出かけました。





「ママのお弁当食べようか。ママの隣で。」





涙を流しながら三人で食べたママのお弁当はしょっぱい味がたくさんして、




一口から揚げも、レンコンの金平も、ウインナーも、ニンジンとブロッコリーも全部美味しかった。




私がいつもの最後に食べる甘い玉子焼き…




気付くとパパもゆきくんも玉子焼きを最後に食べているようでした。





「ママの玉子焼きは毎日入ってるのに、いつも一番最後の楽しみなんだよ。これを食べるとホッとして午後も力が湧いてくる。」





パパはそう言って玉子焼きを食べました。





「私もだよ。」





「僕も。」





あの時ママの前で三人でお弁当を食べれたことは、今となっては悲しい中の暖かい思い出です。






パパありがとう。






最後のママの味。忘れられなくなりました。
















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