初恋
「れ……!れ……ゃん!れ…ちゃん!

れんちゃん!」

うーん。誰?私を呼んでいるのは。

希「れんちゃん!」

あ、希暉。

希「れんちゃん大丈夫!?うなされてたよ?」

うなされてた…?

夢でも見てたのかな…。

夢でも…。

恋『大丈夫よ希暉』

そう言うと凄くホットしたようだ。

あれ…ここ屋上じゃない。

白黒を基調とした部屋にいた。

恋『ここは何処?』

希「ここは倉庫だよ♪」

倉庫?ここが?とても倉庫とは思えないんだけど…。

どっちかって言うとどこかのホテル見たいだけど。

希「倉庫って言っても、そういう倉庫じゃないよ?w」

また心を読まれた。エスパーか何かかな?希暉は。

希「れんちゃん歩ける?」

あ、足。 そう思い私は足を見てみる。

私の足首には丁寧に湿布と包帯が巻いてあった。

恋『これ誰が…?』

希「僕だよ♪キツくない?大丈夫?」

希暉、不器用そうに見えたのに案外器用なのね。

希「あぁー!今失礼なこと考えたでしょ!」

恋『別に考えてないわ。ありがとう。』

危ない危ない。

ところで他のみんなは何処にいるんだろう。

見渡しても私と希暉しか見えない。

希「れんちゃん立てる?」

恋『コクッ』

私は希暉に支えられながらベットから立ち上がった。

その時よろけそうになったが、希暉が支えてくれたおか

げで倒れずにすんだ。

私が立ち上がると希暉が手を差し出してきた。

希「さぁ、お手をどうぞ。プリンセス。」

ドキッ。

その仕草、声に胸が熱くなった。

希「な〜んてねw さ、行こ?」

私は自分の手をそっと重ねた。

重ねると同時にぎゅっと握り締めて私をエスコートす
ようにゆっくりと歩いてくれた。

(怪我気遣ってくれてるんだ…。)

そのちょっとした優しさにまた胸がキューっと締め付けられるような感覚になった。

恋(何だろう…この感覚。苦しいって感じなのに全然苦しくない。むしろ嬉しい…。こんなの初めて…。)
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