初恋
希「れんちゃん顔赤いけど熱?」

言われて頬を触ってみると熱かった。

希「ちょっとおでこ触るよ?」

と言い、おでこに自分のおでこを付けた。

かぁぁぁぁぁ!
一気に顔の熱が上がるのが分かった。

希「わっ!!さっきより熱くなった!」

違う!!
私は勢いよく顔を横に振った。

恋『ブンブンブン!!』

ガツンっ。

希暉のおでこがついていることを忘れ顔を振ったため、希暉でこと、自分のでこが当たってしまった。

希「いたっ!!」

恋『っっっ!!』

もっと考えてから顔振るべきだった。

当たったおでこがじんじんしている。

希暉は大丈夫かな。
と思い、顔を見ようとしたら急に頬を両手で包まれた。目の前には今にも泣きだしそうな顔をした希暉の顔が見えた。

希「れんちゃん!!おでこ痛くない!?腫れてない?」

涙声で必死に聞いてくる希暉を見て、思わず笑が漏れた。

クスッ

希「えっ…。」

恋『ごめん、あまりにも必死に聞いてくれるから。
大丈夫。どこも痛くない。腫れてもいないよ。』

私は前髪をあげ、希暉に見せた。

希「よ、よかったぁぁぁぁ!!」

希暉は大袈裟に肩を落とした。


希暉は優しいと思う。
今日だけでどれだけその優しさを目の当たりにしただろう。
自分の事より相手の事を優先することは簡単そうに見えて簡単じゃない。

自分だって痛い思いしてるくせに、私の事ばかり気にする。
おでこ真っ赤で痛そうなのに。








………もっと早く希暉に出会いたかった。

"あの時"より前に出会ってたら何変わったかな?

"あの中"に希暉が居れば良かったのに…。


「…い…お…い!……おーーい!」

希暉の声で現実に戻される。

希「れんちゃん大丈夫?やっぱりおでこ痛いの!?」

また涙目になる希暉

心配かけちゃったな。ごめんね。

恋『大丈夫、ごめんね。
それより何処かに向かってたんじゃないの?』

希「…忘れてたっ!!!」

忘れてる事薄々気づいてたけど…。

希「あわわ!ど、どうしよう!!怒られるよ!」

怒られるって誰にだろ。
煌さんかな?
凄い怒りっぽそうな感じだし。

──

煌「へっくしっっ!!」

優「煌風邪〜?こっち来ないでよ〜?」

煌「ちげーよ!くしゃみ一発したくれぇで風邪にすんなよ。」

蒼「……うるさい。」

「「ごめんなさい…。」」

蒼「チッ……。」

───

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