空に近く
屋上の患者
「…助けてよ」
ボクは言った。
口が勝手に動いただけ。
そばに寝てる女がいる。
幸せそうな寝顔。
どこか愛しい。
カバンから注射器。
自らの腹部に射す。
「いつになれば、楽になれる?」
女は、寝起きの目をゴシゴシこすり、問う。
「何?」
「お前こそ何?」
女は三秒くらい待ち、
「昼寝」
と、案の定、答えた。
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