空に近く
「何で注射器、お腹に射すの?」
「柔らかいとこに射すの」
質問攻めが始まろうとしている。
「へぇ…なら何で屋上にいるの?昼寝じゃないでしょ?」
緋奈は深く追求する。
ボクは言った。
素直に、今、屋上にいる意味を。
「死のうと思って来た」
緋奈は不思議そうに
「どうかしたの?」
と、問う。何気ない一言がボクを責める。
「ごめん」
緋奈が、何故か謝ってしまった。
何も言えない自分。
悔しい…。
――…苦しい。