空に近く

「ユキくん、聞いたら悪いかもしれない。でも、教えて」

聞きたいの?緋奈…キミの現実とは違う、ボクのこと。

 「教えて」

誰もいない放課後の屋上。

「何で病名、教えてくれないの?」

腹が立った。

「お前は、ボクの何だって言うんだよ?
ボクのこと知って笑う気か?」

大きな声で怒鳴った。
遠くから、陸上部の掛け声が聞こえる。

緋奈も大きな声で怒鳴った。

ボクは、びっくりして、手が震えているのか、薬の副作用なのかが分からなかった。

そのくらい、動揺していた。
< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop