空に近く
「ユキくん、聞いたら悪いかもしれない。でも、教えて」
聞きたいの?緋奈…キミの現実とは違う、ボクのこと。
「教えて」
誰もいない放課後の屋上。
「何で病名、教えてくれないの?」
腹が立った。
「お前は、ボクの何だって言うんだよ?
ボクのこと知って笑う気か?」
大きな声で怒鳴った。
遠くから、陸上部の掛け声が聞こえる。
緋奈も大きな声で怒鳴った。
ボクは、びっくりして、手が震えているのか、薬の副作用なのかが分からなかった。
そのくらい、動揺していた。