俺の生きる意味を探して
それから暫くして、幹部たちは集められた。
「……何だよ、土方さん。まだアイツ、口割ってねぇだろ?」
幹部たちは不満気な顔をする
まさか、土方さんは幹部たちに何も言わずに集めたのか?
それなら、幹部たちが不満気なのも頷けるな。
「土方さんが僕たちを集めたって言うことは進展があったんでしょ?」
沖田さんは結構、土方さんのことを理解してるみたいだね。
「あぁ、湯浅喜右衛門が口を割った。」
部屋が騒がしくなる。
「えっ、いつの間にですか?」
藤堂さんが問うと、斉藤さんがちらりとこちらを見る。
それに釣られて他の人たちも俺を見る。
「桑原、報告しろ。」
命令形か……人に物を頼むときなんて言うのか教わらなかったのか?
まぁ、いいか。
「……報告します。つい先程、湯浅喜右衛門が『7月の下旬、祗園祭の日に御所へ火を放ち、天皇を長州へ連れ去る』と言いました。」
幹部たちに緊張が走る。
「おいおい……土方さん。やべぇんじゃねぇの?」
永倉さんが言う。
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