俺の生きる意味を探して
俺はまだ突きを繰り出す。
それに驚いた永倉さんの動きは鈍った。
俺はその僅かな隙を狙った。
「……一本!勝者、桑原!」
「ありがとうございました。」
と俺は言い、礼をした。
「………。」
俯いたまま、何も言わない永倉さん。
「永倉さん?どうかしたんですか?」
「……やっぱ、お前、強いな。うん、認めざるおえないな。」
「……認めていなかったんですね……。」
「まぁな、これでも俺は組長だからな。いざとなったら、俺がコイツらを守んなきゃいけねぇから。」
……さすがだな。
うん、しょうがない。
「……永倉さん。」
「ん?」
言うべきか迷ったことがあるんだ。
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