幼なじみの秘め事
「心羽!」


後ろからバタバタ走ってくる足音。


誰かなんて振り向かなくてもわかる。

なんでそんなに焦った声してんの。


「大翔、どうしたの?」


あたしは振り向かないで答える。


「こっち向けよ」


大翔によってあたしの体はくるりと向きを変えられる。


「あらー回転扉」


なんて冗談を言ってみる。


「...何いってんだよ」

「あたし、散歩してるの邪魔しないで」


そう言ってあたしはもう1度大翔の反対側にくるりと方向を変える。


「おい、邪魔とかいうな」

「いつも大翔に言われてる」


あたしはそれだけ言って歩く。


あたしはもう何年も。
邪魔すんなよとしか言われてない気がする。

それをいわれにいくあたしもあたしだけど。


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