幼なじみの秘め事
「あ、俺そろそろ出かけるけど」


勉強をはじめて30分。
大翔が突然ぼそっとつぶやいた。


「休みの日に出かけるなんて珍しい!」

「まぁ、な」


心なしか嬉しそうな大翔。


「なにしにいくの?」

「んー。アイドル好きな女の子と遊びに」

「なにそれ!デート!?彼女!?」

「彼女ではない」


大翔はクローゼットから服を出す。


「ふーん」

「...なんだよ」

「...好き、なの?」

「いや、はじめて会うからそういうんじゃない」

「はじめて!?」


大翔の言葉にびっくりして教科書を落とす。


「ゲームのチャットで知り合ったんだもん」

「すごい世界」


あたしはため息をついて、教科書をカバンに入れていく。



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