あの日の夕暮れ〔詞集〕

あだ波

そばにいたいと呟いた日から
どのくらいの月日が流れただろう
あれから世界は
めまぐるしくかわって
知らないうちに君の見つめる先も
変わっていたんだ



すがりつく君を
無理にでも連れてくれば
今とは違う未来が
待っていたのかな
後悔だけはしたくない 
だけどいつも
真っすぐな瞳に戸惑ってしまう






捨てる事しかできない一途な想い
どれほど胸にとどめたのだろう
突然届けられた
二人の思い出は
涙も流せないまま言葉にもできず
色褪せてしまったんだ



隠し続けた君の秘密に
気付いていれば
揺れ動く心も
止める事ができたのかな
ただ前に進むしかない 
それでもまた
ひたむきな姿を探してしまう




あの頃とは違うと何度も
言い聞かせて
押し寄せる感情は
さらに痛みをます
失いたくはない 凍り付く心
激しくゆさぶるのは君しかいない




ふいに流れおちた
涙のわけを
どうして今になって
知りたいのかな
振り返りはしない 
あの時にはもう
矛盾した気持ちを受け入れたんだ
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