君のカメラ、あたしの指先
「実は……小説を書いたり、とか、してる。それも……恋愛小説、とか」
そう言った時のドキドキは、それはもう……
それこそ長年片思いしている相手に愛の告白をするくらいの緊張を伴った。
だけど有紗は、その告白を――笑わないで、受け止めてくれた。
「何かを生み出すのって、すごい事だと思うよ! 私、あゆちゃんの書く小説読んでみたいな」
「いや、それはまだ、ちょっと……」
心の準備ができたらね、と約束して数ヶ月後にようやく見せられた小説は、自分でも納得のいく出来では無かったんだけど。
有紗は引くどころかすごい、すごい! 素敵! 最高! と褒めてくれて、それがあたしにはちょっとむず痒かった。
そんなに褒められたことなんて、今まで一度もなかったから。
今じゃもう懐かしい話だ。小説を書いてます、と大きく言って歩けるようになったのは、間違いなく有紗のお陰だった。
あたしに自信をくれた人。それが結城有紗。
そう言った時のドキドキは、それはもう……
それこそ長年片思いしている相手に愛の告白をするくらいの緊張を伴った。
だけど有紗は、その告白を――笑わないで、受け止めてくれた。
「何かを生み出すのって、すごい事だと思うよ! 私、あゆちゃんの書く小説読んでみたいな」
「いや、それはまだ、ちょっと……」
心の準備ができたらね、と約束して数ヶ月後にようやく見せられた小説は、自分でも納得のいく出来では無かったんだけど。
有紗は引くどころかすごい、すごい! 素敵! 最高! と褒めてくれて、それがあたしにはちょっとむず痒かった。
そんなに褒められたことなんて、今まで一度もなかったから。
今じゃもう懐かしい話だ。小説を書いてます、と大きく言って歩けるようになったのは、間違いなく有紗のお陰だった。
あたしに自信をくれた人。それが結城有紗。