君のカメラ、あたしの指先

あなたの気持ち

 有紗は朝練がある関係で、登校する時はいつも一人だ。

 車の流れが激しい大通りを避け、細い路地裏を歩く。

 変な人、とよく言われるけど、あたしは案外路地裏を歩くのが好きだ。いつもは見えない街の顔が見えたり、雰囲気のいいお店がひょこっと見つかったりするから。
 
 毎日同じ道を通るよりも刺激があってほら、楽しい気がしない?
 
 こないだはこじんまりしたオシャレな雑貨屋を見つけた。今度有紗を誘って一緒に行ってみようと思う。

 だいたいこのあたりの路地は全制覇してしまったんだけど、それぞれの道にわくわく要素を見つけているので退屈することは無い。

 明日は一本早く曲がろう。みぃちゃん(あたしが勝手に名前をつけたのら猫)が待っているかもしれない。
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