君のカメラ、あたしの指先
「あゆちゃん、おはよう!」
ホームルームが始まる直前、駆け込んできた有紗が元気に挨拶してきた。いつもギリギリまで練習してるんだろうな。偉いな。
「おはよう、有紗。前髪はねてるよ」
肩で息をする有紗に笑ってそう言うと、「き、今日は寝坊しちゃったの……」と消え入りそうな声の返事が帰ってきた。
「あらー、有紗らしくないね」
「ちょ、ちょっとね。なんか昨日は、寝付けなくて」
「へえ? 瀧川のことでも考えてた?」
冗談のつもりだったのに、どうやら図星でした。
顔を真っ赤にした有紗が口をはくはくさせている。金魚か。
「お、おっきい声で言わないでよ……!」
「聞こえてない聞こえてない、安心して」
きょろきょろと怪しく周りを見回している。よっぽどそっちの方が挙動不審じゃない?
「早く席つかないと、先生くるよ」
そう言うと慌てて席まで走っていった。
これは後で尋問が必要ですな。
ホームルームが始まる直前、駆け込んできた有紗が元気に挨拶してきた。いつもギリギリまで練習してるんだろうな。偉いな。
「おはよう、有紗。前髪はねてるよ」
肩で息をする有紗に笑ってそう言うと、「き、今日は寝坊しちゃったの……」と消え入りそうな声の返事が帰ってきた。
「あらー、有紗らしくないね」
「ちょ、ちょっとね。なんか昨日は、寝付けなくて」
「へえ? 瀧川のことでも考えてた?」
冗談のつもりだったのに、どうやら図星でした。
顔を真っ赤にした有紗が口をはくはくさせている。金魚か。
「お、おっきい声で言わないでよ……!」
「聞こえてない聞こえてない、安心して」
きょろきょろと怪しく周りを見回している。よっぽどそっちの方が挙動不審じゃない?
「早く席つかないと、先生くるよ」
そう言うと慌てて席まで走っていった。
これは後で尋問が必要ですな。