君のカメラ、あたしの指先
 麦茶を呑む山田を改めて盗み見た。

 腕を組んでそれを飲む彼は、なんだかやけに大人びている。たかだか麦茶のくせにビールでも飲んでいそうな雰囲気だ。
 
 清潔感のある服装で、黒髪。
 
 ボタンを三つも開けてたり髪の毛が長すぎたり、なんてことはない。だらしない雰囲気が似合わない人だと思った。

 荷物を取りに行った時に首から下げたんだろう、先程まではなかった大きなカメラが彼の首からは下がっている。

 なんだっけあれ。一眼レフ、とかいうやつかな。

 カメラに詳しくないあたしにはよく分からないけど。
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