君のカメラ、あたしの指先
「せっかく次の話のメインキャラクタープロフィールに流用しようと思ったのに」

「しないでください」


 ……本当はこんな馬鹿げた会話だって必死で頭をフル回転させなきゃ出てこないくらい、動揺してる。

 してるけど、それを見せたら負けな気がする。いかにも「意識してませんよ」って体で話を聞かないと、会話どころではなくなってしまう。


「それで? なんで山田くんはあたしと付き合おうなんていうぶっ飛んだ計画を思いついたわけ?」

「ぶっ飛んではないんだけどな……? まあ要約すると優馬は俺が、結城のことを好きだと勘違いしてるんだ。それを何とかしたい」

「はあ。その前提は、瀧川くんは有紗の事が好き、でいいのね?」

 山田は肯定の頷きをした。
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