君のカメラ、あたしの指先
 確かに、今まで色々なパターンの小説を書いてきたけど、あたしの実体験が薄すぎるせいで展開や語彙の少なさに躊躇することはよくあった。

 大抵の場合は「カップルタイプ別マニュアル(自作)」を見て凌いでいたけれど、そろそろそれも限界に近い。

「クリスマスなどのイベント時には、資料集め要員として同行します」

 カメラを片手に持って見せながら、山田は勝ち誇った顔で頷いた。
 
 ううううう……!

 なんて素敵なご提案なんだ……!!!
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