サトウ多めはあまあまデス
家に着くとケイちゃんは「ちょっと待ってろ」と言って糸電話を私に渡した。
やっぱりママと話したいって、これだと思ったよね…。
そう思うのに、ケイちゃんにも聞いてみたい気持ちもあってそのまま糸電話のコップを握った。
糸電話の糸がピンと張ったのを確認してコップに口を当てる。
「ママ?心愛です。」
ドキドキしながら待っていると優しい声が聞こえた。
「どうしたの?心愛ちゃん。」
ケイちゃん…。
優しい声。ママの真似をしてくれるケイちゃんの優しさに胸がキュッと締め付けられた。
「あのね…。私に初恋の子がいたのは覚えてる?」
「…覚えてるわ。」
「それでね。自分がその初恋の子だっていう人が現れて…。戸惑ってるの。」
「…そう。」
どうしよう。私…。でも聞いてみたい。
「あのね。初恋の子のことも気になるけど…今は別の人も気になるの。その人はすごく遠い存在の人で。どうしたらいいと思う?」
沈黙。
ドキドキと心臓の音が大きく感じる。
どうしよう。変なこと聞いちゃったかな。
緊張して待っていると、しばらくして声が返ってきた。
それは優しい…でもどこか冷たい感じのする声だった。
「遠い存在なんてやめておいた方がいいんじゃないかな。心愛ちゃんが傷つくのは悲しい。」
うそ…。こんな返事…。
ショックで考えるよりも先に言葉が口からこぼれ落ちてしまった。
「ママらしくないよ。心愛ちゃんがいいと思うことを思い切ってやったらいいんじゃないかなってママなら言ってくれると思ってたのに。」
分かってる。この電話はママじゃない。ケイちゃんの優しさでケイちゃんがママを真似してやってくれてるって。
分かってる。ワガママ言ってるくせに文句を言うなんて間違ってるって。
でも…。ケイちゃんに諦めろって言われてるみたいで寂しいよ…。
糸電話からは何も返ってこなかった。そしてしばらくして小さな音だけが聞こえた。
コトッ。
見に行くと階段の上に紙コップだけ置かれていた。
ケイちゃん…。
やっぱりママと話したいって、これだと思ったよね…。
そう思うのに、ケイちゃんにも聞いてみたい気持ちもあってそのまま糸電話のコップを握った。
糸電話の糸がピンと張ったのを確認してコップに口を当てる。
「ママ?心愛です。」
ドキドキしながら待っていると優しい声が聞こえた。
「どうしたの?心愛ちゃん。」
ケイちゃん…。
優しい声。ママの真似をしてくれるケイちゃんの優しさに胸がキュッと締め付けられた。
「あのね…。私に初恋の子がいたのは覚えてる?」
「…覚えてるわ。」
「それでね。自分がその初恋の子だっていう人が現れて…。戸惑ってるの。」
「…そう。」
どうしよう。私…。でも聞いてみたい。
「あのね。初恋の子のことも気になるけど…今は別の人も気になるの。その人はすごく遠い存在の人で。どうしたらいいと思う?」
沈黙。
ドキドキと心臓の音が大きく感じる。
どうしよう。変なこと聞いちゃったかな。
緊張して待っていると、しばらくして声が返ってきた。
それは優しい…でもどこか冷たい感じのする声だった。
「遠い存在なんてやめておいた方がいいんじゃないかな。心愛ちゃんが傷つくのは悲しい。」
うそ…。こんな返事…。
ショックで考えるよりも先に言葉が口からこぼれ落ちてしまった。
「ママらしくないよ。心愛ちゃんがいいと思うことを思い切ってやったらいいんじゃないかなってママなら言ってくれると思ってたのに。」
分かってる。この電話はママじゃない。ケイちゃんの優しさでケイちゃんがママを真似してやってくれてるって。
分かってる。ワガママ言ってるくせに文句を言うなんて間違ってるって。
でも…。ケイちゃんに諦めろって言われてるみたいで寂しいよ…。
糸電話からは何も返ってこなかった。そしてしばらくして小さな音だけが聞こえた。
コトッ。
見に行くと階段の上に紙コップだけ置かれていた。
ケイちゃん…。