サトウ多めはあまあまデス
 心愛はグルグルする頭を冷やしながら、考えても仕方ないから家に帰ろうと足を家へと向けていた。

 天国の電話をしてくれるようなケイちゃん。私をからかって手紙を出すような人じゃない。

 少し考えれば分かることなのに、衝撃が大き過ぎてパニックになってしまった。

 それに…。まだケイちゃんとママの字が似てるってだけで、手紙を出したのがケイちゃんかどうかは…。

 そう思いながら家に帰った。


 2階に上がると自分の部屋のドアが開いていて胸騒ぎがした。

 部屋に入るとテーブルの上に置きっ放しだった戸籍謄本が目に入った。

 ケイちゃんに知られてしまった…??

 心愛は家を飛び出した。

 ケイちゃんが…ケイちゃんが…居なくなってしまうかもしれない。

 空はどんよりとしていて今にも降り出しそうな天気だった。


 どんなに探してもケイちゃんは見つからない。いつの間にか降り出した雨は心愛の体を冷やした。

「寒い…。」

 身震いをする。それでも帰りたくなかった。どこを探せばいいのかも分からないまま闇雲に探し回った。
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