サトウ多めはあまあまデス
深夜。佳喜の携帯が鳴る。
雨に濡れ、体はカタカタと震えていたが、もうこのまま消えてしまってもいい。そんな風に思っていた。
どうしてそこまで…と思うのに、自分の中で心愛の存在が大きくなっていたことを今さらながらに思い知った。
鳴り止まない携帯。
震える手で確認すると知らない番号だった。雨、知らない番号…嫌な予感がして電話に出ると電話口から怒鳴り声が聞こえた。
「てめぇ!ケイキか?心愛を放ったらかしで何してんだよ。心愛が…倒れた。」
「!!!」
電話口は瑠羽斗だった。瑠羽斗の怒鳴り声に考えるよりも先に体が動いていた。
病院に着くと外で待っていた桜さんが「まぁ佳喜くんびしょ濡れじゃない」と持っていたハンカチを渡した。
そこへ瑠羽斗がやってきて胸ぐらをつかむ。
「なんでお前がいてこんなことに!」
「…ココは?」
「お前なんかに心愛を…!!!」
「瑠羽斗やめなさい。…佳喜くん。心愛ちゃんは大丈夫。道で倒れて運ばれたの。行ってあげて。」
「俺は…もう側にいる資格がないんだ。自分が大切だと思うと…ダメなんだ。居なくなってしまう…。」
「何を…。」
桜さんが何か言う前に瑠羽斗がまた胸ぐらをつかんだ。
「てめぇ!今さらなんだって言うんだよ。認めたくないけど……ケイキじゃなきゃダメなんだよ。
なんで俺じゃないんだって思うけど心愛はケイキしかダメなんだよ!」
瑠羽斗の言葉に佳喜は目を背けた。それでも瑠羽斗は続ける。
「雨が苦手なのに何やってたんだよって俺、言ったんだ。そしたらなんて言ったと思う?」
佳喜が顔を上げると瑠羽斗は目を見据えて言った。
「大丈夫だよ。雷は鳴ってないし。それに…雨よりも雷よりも今はケイちゃんが居なくなっちゃう方がずっと怖い。ってよ。」
ドンッと乱暴に離された手からよろよろとよろめいて、その場に崩れ落ちた。
どうして…。俺はお兄ちゃんでもなんでもない…。俺には…その資格はない。
「とにかく行ってあげて。」
桜さんに優しくそう言われ、佳喜はよろよろと病院に入り心愛の病室まで歩いた。
雨に濡れ、体はカタカタと震えていたが、もうこのまま消えてしまってもいい。そんな風に思っていた。
どうしてそこまで…と思うのに、自分の中で心愛の存在が大きくなっていたことを今さらながらに思い知った。
鳴り止まない携帯。
震える手で確認すると知らない番号だった。雨、知らない番号…嫌な予感がして電話に出ると電話口から怒鳴り声が聞こえた。
「てめぇ!ケイキか?心愛を放ったらかしで何してんだよ。心愛が…倒れた。」
「!!!」
電話口は瑠羽斗だった。瑠羽斗の怒鳴り声に考えるよりも先に体が動いていた。
病院に着くと外で待っていた桜さんが「まぁ佳喜くんびしょ濡れじゃない」と持っていたハンカチを渡した。
そこへ瑠羽斗がやってきて胸ぐらをつかむ。
「なんでお前がいてこんなことに!」
「…ココは?」
「お前なんかに心愛を…!!!」
「瑠羽斗やめなさい。…佳喜くん。心愛ちゃんは大丈夫。道で倒れて運ばれたの。行ってあげて。」
「俺は…もう側にいる資格がないんだ。自分が大切だと思うと…ダメなんだ。居なくなってしまう…。」
「何を…。」
桜さんが何か言う前に瑠羽斗がまた胸ぐらをつかんだ。
「てめぇ!今さらなんだって言うんだよ。認めたくないけど……ケイキじゃなきゃダメなんだよ。
なんで俺じゃないんだって思うけど心愛はケイキしかダメなんだよ!」
瑠羽斗の言葉に佳喜は目を背けた。それでも瑠羽斗は続ける。
「雨が苦手なのに何やってたんだよって俺、言ったんだ。そしたらなんて言ったと思う?」
佳喜が顔を上げると瑠羽斗は目を見据えて言った。
「大丈夫だよ。雷は鳴ってないし。それに…雨よりも雷よりも今はケイちゃんが居なくなっちゃう方がずっと怖い。ってよ。」
ドンッと乱暴に離された手からよろよろとよろめいて、その場に崩れ落ちた。
どうして…。俺はお兄ちゃんでもなんでもない…。俺には…その資格はない。
「とにかく行ってあげて。」
桜さんに優しくそう言われ、佳喜はよろよろと病院に入り心愛の病室まで歩いた。