サトウ多めはあまあまデス
 ケイちゃんは昨日にも増して、ぐったりしている。
 パパの「佳喜は心愛の看病をするように」が逆さまになってしまった。

 つらそうなケイちゃんをなんとか家に連れ帰るとベッドに寝かせた。

 初めて入るケイちゃんの部屋。シンプルで無駄な物がないのがケイちゃんらしい。本棚に難しそうな本が並んでいるのも。

「何かいるものあるかな?」

「何もいらないから出てけよ。」

 苦しそうに言う言葉は棘がいっぱいだ。

「出ていったら監視できないもん。」

「監視って…看病の間違いだろ?」

「だって異常行動しないようにって。」

 ケイちゃんがバカにしたような顔で何も言わない。諦めたみたいだ。

 心配とか、看病とか言うと素直に一緒にいさせてくれなさそうなんだもん。

 ベッドの側に座ると、そっとおでこに手を伸ばした。おでこが熱い。
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