サトウ多めはあまあまデス
 まだ信じてないのが伝わったのか、はぁってため息が聞こえて、頬をそっと撫でられた。

 その色っぽい触り方にドキンとして、

 だから慣れてるでしょ!と怒りたい気持ちになる。

「ほら。これでもか?」

「え?」

 言われて撫でられた手を見ると……震えてる?

「うそ…。」

「こんなダッセーの嘘なわけあるか。」

 ギュッと握りこぶしを作るケイちゃんが何故だかすごく愛おしく思えて、その握りこぶしにそっと頬を寄せた。

「ゴメン…。信じてなくて。」

 そっと開いた手の平が頬を包む。

「やっと分かったか。大事なお姫様。」

 そのまま優しくキスされた。

 大切な宝物を扱うようなケイちゃんの優しさにくすぐったくなった。

 でもさ。

 遊び人ってわけじゃないってのは分かったんだけど、やっぱりお色気だだ漏れなのは事実で…。

 じゃこれって生まれながらにしてってこと!?
 それはそれで末恐ろしいんだけど!

『恋人らしい雰囲気で過ごしたっていいんじゃない?』って言葉が何度も頭の中を巡る。

 ここベッドの上ですし、とりあえずベッドから出ませんかね。ケイちゃん?

「ココって…誘ってる?」

「え…なっ…。」

「だってキスするとスゲー可愛い顔する。」

 そう言って自然にチュッってキスをして「ほら」って。

 ほらって。…いや。今のケイちゃんの笑顔の方がよっぽど…。

 っていうか誘ってる?って何を!

 だいたい。ナチュラルにチューしないでよー!

 ドギマギしてると頬に手を添えられて、またケイちゃんの顔が…。

 近づいて…近づいて…近づいて…。
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