サトウ多めはあまあまデス
 ケイちゃんが不思議そうに見ている気がして、ヘヘッと笑った。

「ママはいつも私を助けてくれるの。手紙にはママの温もりがいっぱいなんだ。」

「亡くなっても愛されてるんだね。」

 なんだか恥ずかしくなって、ヘヘッとまた笑ってしまう。

「あの…。ケイちゃんもありがとね。朝ごはんも…一緒に暮らしてくれることも。」

 ケイちゃんは居心地が悪そうに頬をポリポリと指でかいた。

「朝ごはんはまだ美味いかどうかも食べてないんだから分からないだろ?
 それに昨日は一緒に暮らしたくなさそうだったけど?」

「うん。昨日は驚いたから。
 でもパパはきっと私が寂しくないようにケイちゃんをうちに住まわせたんだろうなって。
 この家はママとの思い出がいっぱいだから…。」

 しんみりしてしまった空気を察してわざと元気な声を出す。

「ごめんね。湿っぽくなっちゃった。」

「いや。いいよ。俺こそ隠し子なのに…
受け入れてくれてありがとな。」

 ケイちゃんのイメージとはかけ離れた「ありがとう」が妙にくすぐったかったけど、心がほんわかした。

 ママ本当だね。ありがとうって大切。

「さぁ食べよう。」

 ケイちゃんに促されて朝ごはんを食べることにした。
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