サトウ多めはあまあまデス
 しばらくするとケイちゃんが2階から降りてきて何も言わずに頭を撫でてくれた。

 その手は温かくて優しくてまた涙が溢れた。

 分かってる。

 過度なスキンシップはパパと同じで私がママがいなくて寂しいって思わないようにしてるってこと。

 ケイちゃんはきっとママどころかパパが遠くにいることも寂しくないようにしてくれてるんだって分かってる。

 少しするとケイちゃんは糸電話をテーブルに置いて2階に行ってしまった。

 本当にママと話したみたいに心は晴れやかだった。

 ママはいつもこうしたら?って答えをくれるわけじゃなかった。

 私が悩んでいることを聞いてくれて、最後にちょっとだけ背中を押してくれる。

「ママの子だもの大丈夫。心愛ちゃんなら大丈夫」は魔法の言葉だった。

 テーブルに置かれたままの糸電話を大切そうに戸棚の上に置いた。

 また何かに悩んだらママとの電話してくれるのかな。

 そんな思いに心が温かくなった。
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