サトウ多めはあまあまデス
「なぁなぁ。誰のことで元気ないわけ?」

 知らないうちに近くにいた大智くんにドキッとする。

「お客様の話を聞くなんてマナー違反ですよ。」

 優ちゃんがほんわか口調だけどビシッと言ってくれた。

「これは失礼致しました。で、ココちゃん。今日はココが来てるよ。後でケイに会わせてもらえよ。」

 大智くんは悪戯っぽい笑みを残して「いらっしゃいませー」と入口の方へ行ってしまった。

「ココって誰?」

 優ちゃんが眉をひそめて質問してるけど上手く返事ができない。

 ケイちゃんに会わせてもらえって…。
 どうしよう。どうしよう。
 私、会いたくない!

 急に立ち上がった私に優ちゃんはビックリした顔をしている。

 そりゃそうだよね。食事も途中だし。でも…。

「ゴメン。もう行かなきゃ。」

「え?え?ちょっと。心愛ちゃん?」

 私は優ちゃんの方も向けずにそのままお店を出た。
 そして足を止めることなくとにかく歩き続けた。
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