サトウ多めはあまあまデス
 優ちゃんと待ち合わせしてバイト先で合流した。
 お店に入ると今日は私服姿の大智くんが「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」と出迎えてくれた。

「じゃ俺は作るの手伝ってくる。」

 ケイちゃんは来て早々にキッチンへ行ってしまった。

 うちでもご飯を作ってくれる時は本当に楽しそうに作ってくれてる。

 バイト休ませちゃってていいのかなぁって思いがまた頭をもたげそうになった。

「ほら優ちゃんは俺と隣で座ろう。」

 大智くんがさっそく優ちゃんにちょっかいをかけていた。

「私は心愛ちゃんの隣がいいです。」

「でもケイがココちゃんの隣に座りたいんじゃない?」

「それは…。」

 ケイちゃんのことを持ち出されて優ちゃんが困っている。

 まったく…この遊び人は…。

「大智くんは誰でもいいんでしょ!優ちゃんに色目使わないでください。」

 遊び人はこれだから…。

 そう思って少しチクリとする。誰でもいいんだろうな。ケイちゃんも。

 ううん。誰でもいいというか、正確には妹の私以外の誰でも。

「失礼だなぁ。誰でもよくないぞ。ココちゃんや優ちゃんみたいな可愛い子じゃなきゃ。」

 にっこり笑って、もう優ちゃんの手を握ってる。

「誰にでも言ってたら信用してもらえないですよ?」

 優ちゃんがほんわか口調でピシッと言った。さすが優ちゃん。

「ま、俺は適当だけどさ〜。ケイは不器用だからな。ココちゃんも大変だね。」

「え…何を…。兄妹だって…。」

 大智くんにも言ったはず。それに私がケイちゃんを好きなんて知らないはず。

 ドキドキしていると大智くんは悪戯っぽい笑みを浮かべる。

「ま、兄妹って言い張るならそれでいいんだけどさ。あんなにココちゃん一筋な感じなのに、それ隠してそうだからな。」

 驚いて助けを求めて優ちゃんを見ると優ちゃんも頷いていた。

「それには私も賛成です。ケイちゃんはココに激甘だもん。」

「それはお兄ちゃんだからで…。そもそも遊び人だから女の子の扱いも慣れてるだけなんでしょ?」

「ハハハッ。ケイが?遊び人?」

 ものすごくおかしかったようで大智くんは大笑いしている。

 だって言うことがいちいち慣れてそうだし、普通の人はパパに言われたからって、あんなことしないでしょ。

 ケイちゃんのお色気だだ漏れな態度を思い出して恥ずかしくなった。
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