サトウ多めはあまあまデス
「もう。優ちゃんを誘惑しないでくださいってば。」

 と、言って驚いた。
赤い顔をしていたのは大智くんだったから。

「どうしちゃったんですか?大智くん。」

 対照的に優ちゃんはフフフッと笑っている。

「大智くんも実は遊んでるってわけじゃなかったみたい。」

 優ちゃんの言葉に目を丸くすると大智くんが抗議してきた。

「そんなことない。さっきはちょっとビックリしただけで…。」

 私がいない間に何があったんだろう。

 ピザを手にした間抜けな姿のまま優ちゃんと大智くんを交互に見る。

「おい。ココ用意できたぞ。優ちゃんはどうする?桜さんとこ行ったことあるんだって?」

 準備が終わったケイちゃんに声をかけられる。
 そう。優ちゃんも一緒に行く予定だった。
でも…優ちゃんは首を振った。

「私は大丈夫です。大智くんがお相手してくれるみたいだから。ね?」

 まさかの意気投合?

 ビックリしていると大智くんがバツが悪そうに「あぁ…」とだけ言ってそっぽを向いた。

 大丈夫かなぁと思ったけれど、優ちゃんはあぁ見えてしっかりしてるから…と大智くんに優ちゃんをお願いした。

 優ちゃんに大智くんをお願いの方が正しいようにも見えたけど気のせいかな。

「じゃこれ。優ちゃんに味見用のピザあげる。」

「わぁ。美味しそう。」

「じゃ飲み物もらってきてやるよ。」

 大智くんは優ちゃんのためにキッチンへ向かうようだ。
 うん。二人は大丈夫そうだね。
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