恋の神様におまかせ♪


「わ、私、隼人の彼女、ですけど」


自分で言った言葉に自信を持てなくなって、尻すぼみになってしまった。



聞いたことない声だった。

鼻にかかるような猫なで声。


一瞬沈黙があって、再び声が聞こえる。


《彼女……彼女かぁ……》


《誰?》


かなり遠くの方から話しているのか、微かにしか聞こえなかったけど、明らかに隼人の声がした。


一緒にいるんだ……この女と。


私はこれ以上ここに居たくなくて、黙ってその場から走って、逃げ出した。







***






走って走って、辿り着いたのは、玖々璃神社。

稲穂の家だ。


無意識のうちに、ここに向かってたみたい。






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