恋の神様におまかせ♪
「それ、犯罪ですけど」
後ろから、低い男の声がした。
目を開けて声がした方を振り返ると、ビニール傘をさして、片手にコンビニの袋を持った長身の男の人が立っていた。
私に覆い被さっているおじさんを、冷ややかな目で睨んでいる。
おじさんは、ひっ、と喉をならして、慌てて自転車を押しながら走って逃げていった。
「……大丈夫か?」
男の人がしゃがんで、腰に巻いていたシャツで私の体を包んでくれた。
「……なんで、邪魔したんですか」
「……あ?」
私の言葉に、男の人は低い声を出す。
「私、罰を受けたかったのに……」
自然とそんな言葉が出た。
そう、私は罰を受けたかった。
誰かに、罰してほしかった。
由紀ちゃんを傷付けて、隼人くんを自殺に追い込んで。
きっと、私が勝手に結んだカップルたちは、由紀ちゃんたちみたいに苦しんでる。
私のせいだ。