恋の神様におまかせ♪
*7*消えた稲穂
【Side/Yuki】
隼人が病院に運ばれて、稲穂はお兄さんが迎えに来て家に連れて帰った。
薊一くんが今日は帰れって言うから、それに従って家に帰った。
家に帰って、ほぼ放心状態のままベットに座る。
そこで気付いた。
手に持っていたものに。
血で刃の部分が赤黒く、ベトベトになったハサミ。
これが、倒れた稲穂の手元に落ちていた。
稲穂の左手首からは血が溢れて小さな血溜りができていた。
ハサミで手首を切ったんだって、一目でわかった。
なんでそんなことしたんだろう。
ハサミを見つめながら悶々と考える。
明日、稲穂の家にいってみよう。
行って、直接稲穂に聞いてみよう。
……明日には、目を覚ましてるよね?
大丈夫だよね?