恋の神様におまかせ♪
稲穂が倒れて、今日で一週間。
毎日家に来たけど、一度も目を覚まさない。
何も食べてないから、痩せてしまって顔色が悪い。
今日目を覚まさなかったら、明日病院に連れていくって稲穂ママが言ってた。
私は稲穂の青白い寝顔を見ながら、立ち尽くしていた。
今日は、あのハサミを持ってきた。
稲穂の机において、稲穂の手を握る。
私が、縁切りなんてお願いしたからだよね?
私の、せいだね。
ごめんね……稲穂。
「……稲穂、ごめんね………私のせいで……」
いつの間にか、涙が零れていた。
このまま、目を覚まさなかったらどうしよう。
そんな不安で、頭のなかが支配される。
「……もう遅いから、今日は帰りなさい。目を覚ましたら連絡するから」
扉が開いて、稲穂ママが顔だけ覗かせてそう言った。
私は震える足で、ゆっくりと部屋を出た。