恋の神様におまかせ♪
家まであと数分のところで、女に覆い被さる変態野郎を見つけた。
もう10時過ぎてるからって道端でやるなよ。
俺は眉間にシワを寄せて、変態野郎に声をかける。
「それ、犯罪ですけど」
ハッとしたように俺を見て、変態は倒れていた自転車を起こしてそそくさと逃げていった。
座り込んでいる女に、大丈夫かと声をかけて、腰に巻いていたシャツを被せる。
すると、
「……なんで邪魔したんですか」
俯いて、表情が見えないけど、体が小刻みに震えていて。
明らかに怯えてるのにそんなことを言って、強がっているのがバレバレだ。
傘を彼女の方に傾ける。
傘からはみ出た背中が濡れる。
彼女を立たせようと手を伸ばすと、
「私、罰を受けたかったのに……」
その言葉を聞いて、思わず手を止めた。