恋の神様におまかせ♪




「……償う方法って、死ぬことだけか?」


頭を撫でながらそう言うと、稲穂は僅かに顔をあげた。


「死ぬ以外にも、償う方法はあると思う」


頭をフル回転しながら、稲穂を傷付けないように、でも甘やかさないように、言葉を紡いでいく。


「確かにお前は自分都合で友達の関係をややこしくした。でももしお前が死んだら、その友達はどう思うか、考えたか?」


ピクッと肩が跳ねて、膝の上で握った手に力が入る。

でも構わずに、続ける。


「死ぬのは、お前がただ逃げたいだけだろ。……辛い現実から」


握りしめた拳に、涙が落ちる。


「また自分都合で人を傷付けるのか?そんなの、償いなんかじゃないだろ?」


稲穂は、涙に濡れた顔をあげた。


「じゃあどうしたらいいの!?どうすればっ、償うことができるの!?」


潤んだ目で睨みながら、俺にしがみついてくる。









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