恋の神様におまかせ♪
そんな稲穂を見て、胸がギリギリ締め付けられた。
でも、ここで抱き締めたらダメだって自分に言い聞かせる。
「……お前は、どうしたらいいと思う?」
至って静かに、声を荒げたりしないように気を付けながら淡々と言う。
稲穂は首を振って、わからないと喚く。
そんな稲穂の肩を掴んで、体を離して視線を合わせる。
「……どうしたら、誰も傷付かないで済むと思う?」
「分かんない……死ぬ以外浮かばないもん!」
「………お前が死んだら、俺……悲しいよ」
ぽつりと呟くと、よっぽど悲しい顔をしてたのか、稲穂は俺の顔を見て目を見開いた。
そして一瞬止まりかけた涙が、また頬に何筋も流れ落ちた。