恋の神様におまかせ♪
少しやつれて細くなった稲穂ママが、少し驚いたような顔をして私を見ている。
気まずく思いながらも、軽く会釈する。
すると稲穂ママは、私の腕を掴んだ。
「稲穂、見てない?」
「……っ、」
何度か首を振る。
稲穂からはなんの連絡もないし、姿を見かけてもいない。
稲穂が倒れたのも、行方不明になったのも、きっと、間違いなく私のせいだ。
稲穂ママの顔を見れなくて、俯いた。
「……そう。ならいいの」
ごめんね、って薄く笑って、稲穂ママは手を離した。
俯いたままその場を去ろうとしたら、稲穂ママは少し大きな声で言った。
「隼人くんには会ったの?」