恋の神様におまかせ♪


「あ、お、お疲れ様です……えと、」


「この本屋、よく来るの?」


必死に絞り出した言葉を遮って、微笑んだまま先輩が言う。

その問いに、来ます!とまた大声で答えてしまう。

私キョドってて気持ち悪いって思われてないかな……?

少し不安になって俯く。


すると頭上から、小さな笑い声が聞こえた。

顔をあげると、先輩が口元に手の甲を当てている。


「返事よすぎだし!野球部みたい」


くすくすと声を押さえながら笑ってる。

ホントは大笑いしたいけど、お店のなかだから我慢してるみたい。


先輩が笑ってくれた!

そのことが嬉しくて、私も思わず笑顔になる。


ふと先輩の手元に目をやる。



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