恋の神様におまかせ♪
二人して静かに泣きながら、暫く額をあわせていたけど、どちらからともなく離れて、グシャグシャの顔で笑いあった。
「私ね、ずっと学校休んでたの。やっと安心して帰れるわ」
「そう言えば、彩夏ちゃんって何歳なの?私より年上だよね?」
そう言って首を傾げると、彩夏ちゃんはニヤリと意地悪な笑顔を浮かべた。
「みんなそう言うんだけどね、私まだ中1なの」
「………………、えっ」
うぇえええ!!?
「まっマジで!?」
「マジマジ。学生証見せようか?」
いや、みせなくてもいいけど!
こ、こんな大人びた中1がいるなんて……。
絶対年上だと思ってた……。
驚愕に開いた口を閉じられないでいると、彩夏ちゃんはクスッと笑って立ち上がった。
「じゃあ、そろそろ行くわ。またあなたに会いに来るわ」
軽く手を振って病室を出ていった後ろ姿は、中1のそれとはとても思えなかった。