恋の神様におまかせ♪



「……お前が謝ることないのに」


いつのまにか泣いてたみたいで、鼻を啜って目元を拭いながら、力なく笑う。

それにつられて、私も泣きながら口元だけで笑った。


すると隼人の手がのびてきて、親指で私の涙を優しく拭ってくれた。


そんな些細な仕草に、今は胸がいっぱいになる。


離れていく隼人の手を追うように、ゆっくり顔を近づける。


「……ん?どした」


なんて目を細めて、意地悪をいう隼人に、私も意地悪をしたくて、寸でのところで口じゃなくて、頬にキスをした。

意地悪なこと言う隼人が悪いんだ。

ほんとは私とキスしたくてたまらないくせに。



「……怒るなよ」


困ったような笑顔を浮かべて、首に嵌められたコルセットのせいで手しか動かせない隼人は、

私の後頭部に手を回して、私を引き寄せた。


引き寄せられるままに顔を寄せて、今度はちゃんと、唇にキスをした。













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