恋の神様におまかせ♪
「あ!その本……」
先輩が持っていたのは、今私が持っているのと同じ本だった。
先輩も、私の手元を見る。
「え、それ……島崎も?」
チャンスだ!
そう思って、また大声を出しそうになるのを必死に押さえる。
「先輩知ってるんですか?岳坂左武郎」
「大好きな作家だよ!」
まさかこんな偶然があるとは思わなかった。
先輩と好きな作家が同じだなんて!
「俺のまわり、岳坂さん知ってる人いなくてさ」
「私もです!」
かなり文章が難しいからかな。
お父さんもお母さんも知らないんだよね。
でも話の展開がすっごく面白くて、読んでると楽しくなってくるんだ。
「よかったらさ、公園かどっかで話さない?」