恋の神様におまかせ♪



「なっ、なんだよその顔……」


頬を赤らめて恥ずかしそうにする朝霧に、「……別に」と言って目を逸らす。


こいつは彼女じゃない。

あんまり期待させるようなことをしない方がいいよな、そう思ったから。





朝霧のことは嫌いじゃない。

むしろ……好きだと思う。


でも、それを恋愛だと判断するには……まだ早いような気がした。


朝霧も、あれ以来女遊びをやめた俺に安心しているのか、返事を催促しては来ない。


この、友達以上恋人未満っていう距離感が、とても心地いいから。

このまま、返事をしなくてもいいんじゃないか……なんて思えてしまう。










「……やるよ、やればいいんだろ」



体を起こしてシャーペンを握り直すと、朝霧はホッとしたような顔で頷いた。














< 244 / 301 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop