恋の神様におまかせ♪




潤平を置いて先に正門まで歩いてきた。

そこで手を離して、朝霧と向かい合った。


真っ赤な顔をしたまま俯いている朝霧に、こっちまで赤くなった顔を背けながら呟くように告げた。



「……今日からお前のこと、“まどか”って呼ぶから」



ちら、と視線だけ向けると、朝霧は俺を見上げてかなりテンパっていたけど、


「じゃ、じゃあ私も………“蒼太”って呼ぶ」


照れ臭そうに言って笑った。













数日後。



学校内では、俺とまどかが付き合ってるんじゃないかっていう噂が広がっているようだった。


中学の時同様目立ちまくってしまう俺は、少し仲良く女と話すだけでそんな噂が絶えなかった。



そんな噂の的の、女全員苗字で呼んでる俺が、名前を呼び捨てにしたっていうのは、かなりの話題性があったらしい。

次の日に登校したときにはもう一年の間ではその噂で持ちきりで、たった数日で全学年に広まってしまっていた。


実際はまだ付き合ってないんだけどな。






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