恋の神様におまかせ♪
「煩いんだよぉ!!」
金髪の女がそう叫んで、まどかの襟元を投げるように離すと、バランスを崩してしまって―――
――――――ゴッ……
後ろ向きに倒れこんだまどかは、鈍い音をたてながら頭を地面に強打した。
「まどかっ!!」
開け放された扉から飛び出すと、まどかを囲んでいた女共は俺に驚いたような、怯えたような目を向けた。
そいつらになんて目も向けないで、まどかに駆け寄って体を抱え起こした。
「……蒼太、」
「大丈夫か!?」
一瞬虚ろな目をしていたけど、すぐにいつもの真っ直ぐな目で俺を見つめ返したのでホッとする。
「大丈夫だよ」
「ホントに大丈夫か?思いっきり打ってたじゃん……」
ゆっくり立ち上がるまどかの体を支えながら、一緒に立ち上がる。
言いながらまどかが頭を打った辺りを見ると、少し尖った石が落ちていた。
頭が割れてるんじゃないかって後頭部に手を当てたけど、一応外傷はないみたいだった。
「痛くないか?」
「うん、私石頭だから!」
そうニカッと笑うから、俺は安心してしまった。
まどかを水泳部の部室まで送って、そのまま別れた。