恋の神様におまかせ♪
【Side/Inaho】
気づけば泣いていた。
蒼太も、話の合間合間に瞳を潤ませて、辛そうな顔をしていた。
自分がまどかさんを殺した。
そう言って自分を責め続けてきたんだ。
でも、違う。
蒼太の所為なんかじゃない。
「……蒼太、」
「………」
蒼太は、冷蔵庫に凭れて座り込んで、俯いていた顔を少しだけあげた。
涙を拭って、小さく息を吐いてから、口を開いた。
「……まどかさんはさ、蒼太を恨んでなんかいないと思うよ」
私の言葉に、蒼太は顔をこちらに向けた。
驚いたような、困惑したような目で、私を見つめている。
「まどかさんは最後、こう言いたかったんじゃないかな………、」
“私の分まで、幸せになって”